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2021/01/13 THE PAGE(ザ・ページ)
「緊急事態宣言下、2/7までは不要不急の外出自粛で」大阪府・吉村知事(2021年1月13日)
記者:フリーランスの原田と申します。よろしくお願いします。新型コロナのPCR検査についてですが、このPCR検査の信頼性について様々な課題があると指摘する声があります。
例えばですが、維新の会・柳ヶ瀬参議院議員が昨年12月の国会(参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会(2020/12/02))で「現在のPCR検査でのサンプル遺伝子の増幅回数を示すCt値、この設定が高すぎるために微量のウイルス、或いは死んだウイルスの遺伝子検出につながる可能性が高く、そうした場合、陽性判定を受けた人、その人がどのくらい他の人に感染力があるのか」という趣旨のご質問をされ、厚労省の審議官(佐原総括審議官、2022年8月の時点では佐原健康局長)が「PCR検査の陽性判定、これは、必ずしも、その人に感染性があることの証明ではない」とご答弁をされました。つまり他の人に、感染させる可能性が無い人まで隔離してしまっている現状があるのではないか、という議員の指摘ですが、この件について知事は、把握されておられますでしょうか?
吉村:柳ヶ瀬議員の問答のやりとりまで詳細は把握していませんが、その問題意識については把握していますし、理解をしています。
記者:PCRの陽性者と感染者は違うというご認識を今お持ちということでよろしいでしょうか?
吉村:そうです。陽性者と感染者は、あきらかに違います。これは僕が、いろんなところで感染者とか陽性者というのを、一緒のような使い方をしているときがあります。これは、「今日の感染者は」、「今日の陽性者は」とか、いわゆる一般用語としてそのような使い方をしています。でもこれ厳密には、感染者と陽性者というのは、僕は違うというふうに思っています。ここはなかなか、伝わりにくいところがあるので感染者、陽性者とわかりやすく言ったりするときがあるんですけども、明らかに違うと思っています。
感染者は感染させる力がある人
吉村:僕の中では感染者っていうのは、やっぱりそれに感染して、ほかに感染させる力がある状態で、PCRで陽性っていうのは、陽性者はあくまでもPCRで陽性になった人っていうのが陽性者であって、それはイコール感染者ではない。人に感染させる力がなくなっている人も、これはやっぱり陽性者にもなるし、疑陽性の話だってあるし。陽性に出たのが陽性者であって、イコール感染者ではないというのは、僕の頭の中では十分理解していますが、一般用語で使うときには、そこはまとめて使っているときはあります。
問題意識として思うのが、おっしゃるとおりCt値の範囲が、他の世界の諸国と比べて日本はかなり厳しいCt値の範囲を設定しているので、つまり人にもう、うつす状況じゃなくなった人まで陽性者として拾っている部分はあるんだろうなというふうに思います。
昔、巨人の選手が出たような微陽性とかいうよく分からない言葉が生まれましたけども、たぶんああいうのもそうなんじゃないかなとは思いますが、非常に小さな値で陽性、つまり本来、人にもううつす状況じゃなくなっているのに陽性として出てしまう。その人自身も陽性者として扱うこと、それによって不必要な対応が生じているんではないかという問題点は、僕自身もそれはあるだろうなというふうに思っています。
で、特にこれは実務上、顕著になるのが、退院の基準ですけれども、昔はPCRで陰性が2回出ない限りは退院基準を満たさないということでしたが、今はそうじゃなくて、症状発生から10日たつ、そして72時間以内に症状が改善しているということであれば、PCR検査をすることなく、もう人にうつす力はないという判断の下で退院基準を満たすということになっています。
それでじゃあ退院させようとしたときに、今度は大きな病院でそれをやって退院させようとしたら、元いた病院に戻そうとすると、元いた病院からすると、いや、これはきちんと検査しないと受け入れませんとか、あるいはいろいろな受け入れられませんという、そこのベッドの、本来使わなきゃいけない人にまでなかなか使いにくくなっているというところの問題点は、特に陰性検査のところでは出てきているなというふうにも思っていますので、PCR検査の中で陽性者と感染者は違うとは思っています。
ただ、それも国の統一した基準でやらないと、大阪だけ独自にCt値勝手に変更すれば、それはやっぱりおかしなことになるので、国において方向性は決定していくべき問題じゃないかと僕は思っています。
新規陽性者は感染者とは違う?
記者:6日から新規陽性者数が増えたっていうことが、1つの今回、緊急事態宣言発出の要請を出した根拠になっていますが、6日から増えた、この新規陽性者っていうのは、感染者とは違うという理解でよろしいでしょうか。
吉村:正確には陽性者です。当然感染させる力のある人がメインになってくると思いますが、その中で現実的に見たときにCt値がどうかっていうのであれば、人はそれぞれやっぱり違う数値っていうのは、ありうるんじゃないかとは思いますが、ただ、そこも国全体のコンテンサスっていうのがない限り、大阪独自で判断することは不適切だし、その必要もないだろうというふうに思っています。
記者:現状では、では新規陽性者を基準に今回の緊急事態宣言発出をご判断されたということでよろしいでしょうか。
吉村:そうです。それだけじゃないですけどね。増え方とか、この2日間の伸び方。それまでの医療体制の逼迫。冒頭、僕はいろいろ申しましたけど、そういったことを踏まえて、当然ステージ4の基準に達しているわけですけども、ステージ4の基準に達しただけじゃなくて、増え方の角度であったり、医療の逼迫状況なんかも含めて、トータルでっていうか、だから基本、基準、4ですけども、このままいけば医療体制が崩壊する可能性が高いと判断したので、緊急事態宣言の要請をしたということです。決して陽性者の数だけで決めたというわけではないです。
記者:先週の対策本部会議での資料や、そのやりとりでは特に感染者数と陽性者数というのは特に区別がなかったというふうに理解していますが、今後は、では内容によって新規感染者数と新規陽性者っていうのは区別して会議でも扱っていかれるっていう可能性はございますか。
吉村:いえ、それは国において、陽性者っていう定義を定めていますから、陽性者を基準にして判断していくということになると思います。大阪だけ独自の、何かCt値の考え方を用いてやっていくということはないと思います。
記者:ありがとうございます。
司会:ほかにご質問。
吉村:ただおっしゃった問題意識というのは確かに、僕も問題意識として持っているところで、ここは陽性者イコール感染者ではないので、このCt値を含めて扱いをどうするんだっていうのは、もう少し本質的な議論を、やっぱり国でやって、都道府県でこればらばらでやったらぐちゃぐちゃになるので、統一してやっていく必要があるんじゃないかと僕は思っています。
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Yahoo! News 大阪府・吉村知事が定例会見1月13日(全文6完)陽性者イコール感染者ではない
2021/1/13(水) 19:21配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/86cfe8a9458c03e688ea117259baf96e149df9f4?page=1
PCR検査の陽性判定、イコール、ウイルスの感染性の証明ということではない
参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会(2020/12/02)
(厚生労働省 佐原総括審議官、2022年8月の時点では佐原健康局長)
https://ichisaburo.com/6363/
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